さる2025年6月18日〜21日にかけて、千葉市にある幕張メッセにおいて「第7回国際建設・測量展 CSPI-EXPO2025(以下、CSPI-EXPO)」が開催された。
建設や測量の展示会として年々規模を拡大しているCSPI-EXPOだが、建設や測量の分野で切っても切れない存在となっているのがドローンだ。
今回の「CSPI-EXPO」でも多くのドローンが展示されていたので、早速チェックしていきたいと思う。
1:DJI Matrice 400
「CSPI-EXPO」が開催される約1週間前に発表された、DJIの産業用プラットフォームドローン「DJI Matrice 400」がお目見え。一般的な公開としては初のタイミングとなるため、非常に注目度は高く、多くの人で賑わっていた。
この「DJI Matrice 400」は、従来の「Matrice 350 RTK」に代わる新型機で、長時間の飛行能力、高い積載能力、先進的な障害物検知システムを備え、緊急対応、インフラ点検、大規模なマッピングなど、さまざまな業務に対応可能な機体として開発された。
注目は機体の上部設置された回転式LiDARを始めとして、高精度ミリ波レーダー、フルカラー低照度魚眼ビジョンセンサーを統合し、検知能力を前例のないレベルに押し上げた高度な障害物検知システムだろう。このシステムのおかげで、暗闇の中でも山岳地形を横切る高電圧電力線のような小さな障害物を検知が可能。雨や霧など悪天候でも周囲をしっかりと検知して、高い安全性を実現している。
また、ペイロードも最大で6kgとなっており、単一の下方ジンバルとデュアル下方ジンバルをシームレスに切り替えることが可能。また、機体の底面には3つ目のジンバルコネクターを備えられているだけでなく、4つの外部E-Port V2ポートを装備していることで、最大7つのペイロードを同時に取り付けられる。
建設や測量の現場において、このマルチな性能がきっと役立つのではないだろうか?
2:DJI Dock 3
同じくDJIの製品として、こちらも注目を集めていたのが「DJI Dock 3」だ。この製品はDJI初の車載可能なドローンを格納しておくドックとなっており、Matrice 4DまたはMatrice 4TDの高性能ドローンを搭載して24時間365日のリモート操作を実現している。
「DJI Dock 3」は、最高動作温度50℃の耐熱性と最低動作温度-30℃の耐寒性を持ち、その堅牢性と信頼性は非常に高いものとなっている。固定設置と移動車載設置を選ぶことができ、「DJI Dock 3」用に特別設計された新しい防水・防塵仕様のDJI Matrice 4Dと4TDを搭載し、柔軟な運用が可能。これによりあらゆる場所に設置でき、超長距離の映像伝送を実現している。
3:Terra Xross 1
テラドローンブースにて展示されていた「Terra Xross 1」は、小型の撮影用ドローンで、LiDARとビジュアルセンサーによって、粉塵環境や暗所など過酷な環境の中を飛行して撮影が可能な機体だ。
この「Terra Xross 1」は、機体周辺の3Dデータをリアルタイムで確認することができ、目視外飛行をより安全におこなうことができるだけでなく、180度上下可能な4Kカメラと最大10,480ルーメンのLEDライトを搭載し、暗所環境でもクリアで明るい高品質な撮影を実現している。
機体は周辺をフレームで覆っており、狭い場所でも安全かつ安定した飛行が可能とのこと。過酷な環境での調査にもってこいの機体なのではないだろうか?
4:GLOW.H Rev.2
AMUSE ONESELFブースにはさまざまな測量用のプロダクトが展示されていたが、自社ブランドのドローンも展示されており、多くの人の注目を集めていた。
この「GLOW.H」はハイブリッド式の国産ドローンとなっており、搭載物なしで約4時間、3kgのペイロード搭載でも約2時間の長時間・長距離飛行を実現。
この長時間飛行を実現しているのは、機体に搭載された小川精機製のレンジエクステンダーによるものだ。機体に燃料タンクと発電機を搭載しており飛行中も常に内蔵バッテリーを自動で充電することで、通常のバッテリーを搭載したドローンよりも大きく上回る飛行時間を実現している。
測量現場において、長時間飛行できることは高効率性につながり、一度に広範囲の測量をおこなうことができる。長時間の連続飛行によってさまざまな作業が実現できるわけで、このようなハイブリッドドローンは今後も注目されていくのではないだろうか?
5:X500
CHCNAVブースに展示されていた高ペイロードと長時間飛行を実現している産業用ドローンが、この「X500」だ。
5kgまでのペイロードを搭載でき、IP55と12m/sの耐風性能を実現。デュアルGNSSやトリプルIMUバックアップ、デュアル冗長フライトコントロールなど機体自体が高い冗長性を備えているだけでなく、ミリ波レーダーやV-SLAMビジュアル・ポジショニング・システムにより障害物の回避や移動車両や船舶などへの着陸も可能となっており、測量や監視、災害救助、点検などの分野で活躍が期待される。
6:まとめ
今回は6月18日~21日にかけて、千葉市の幕張メッセで開催された「CSPI-EXPO」の様子をお届けしたが、いかがだっただろうか?
会場には巨大な重機も多く展示され、そのド迫力に驚きを隠せなかった。また、屋外の展示ブースでは実際に重機が可動しており、ドローンの展示会とはまた違った面白さが満載の展示会であった。
今後もドローンビジネス情報では、このような異業種でドローンが関係する展示会も積極的に紹介していきたいと考えている。ぜひご期待頂きたい。