どこよりもドローンプロパイロット養成にこだわる「Freaks Garage」(前編)

現在、日本各地に多く設立されているドローンスクール。ドローンの活用シーンの拡大や、国家資格の整備などもありその需要は高く、独自の色やアアプローチを前面に押し出したスクールが競い合っています。

そんな中、埼玉県秩父地域の皆野町に本拠地を構え、多くの卒業生を送り出しているドローンスクールが「FreaksGarage(フリークスガレージ)」です。ドローン・プロパイロット養成所として、資格取得ではなく仕事を取れるパイロットの育成を目指し、日々スクール運営をしている「FreaksGarage」。今回は代表の中村一徳氏に、目指すドローンスクール像とこれからの活動についてお話をお聞きする機会を得ましたので、前編後編の2回に渡って紹介していきたいと思います。今回はその前編です。


中村一徳氏:Freaks Garage(フリークスガレージ)代表。1964年、東京生まれ。ラジコン歴50年。富士通に入社後、気象衛星ひまわり4号の運用システムに携わる。2000年初頭、大手電気機器メーカーと共同で「マルチコプター」(今のドローン)を開発し、世に広める。2005年頃、日本でいち早くドローンスクールを始め、今では全国からプロ志願者が殺到。現在は、企業や自治体向けのドローン導入支援・機体開発・コンサルティングにも注力。日本のドローンの草分け的存在である。DJI製品正規販売代理店。一般社団法人千葉房総技能センター 理事。「皆野町」「南伊豆町」と包括連携協定締結済み。

「本物」のプロパイロットを養成するドローンスクール


ドローンビジネス情報編集部(以下、編集部)
:本日はよろしくお願い致します。まず簡単に「FreaksGarage」ドローンスクールを紹介してもらえますか?
中村一徳氏(以下、中村氏):最初は2005年に東京でマルチコプターのスクールを開業したことが最初ですので、既に20年近くになります。その後、秩父へ拠点を移して、現在は埼玉県の皆野町を拠点にドローンスクールを運営しています。

編集部:ドローンスクールを始めたきっかけを教えてください。
中村氏:もともと自分自身ラジコンヘリが好きで、ヒロボーやJR(日本遠隔制御)のサービスステーションとしてラジコンヘリの操縦を教えていました。そういった中でジャイロなどを使ってもっと簡単に飛ばせる練習機を作れないかと考えた時に、当時、キーエンスさんのジャイロソーサー(市販された世界最初のマルチコプターと呼ばれる機体)を見て、この形であればもっと楽な操縦で飛ばせるのではないかと思い、機体を自作しました。そのうちDJIなど多くのドローンが出てくるようになって、今後は仕事でも使われるようになると感じ、ラジコンヘリスクールを発展させUAV(無人航空機)スクールにしたのが始まりですね。

編集部:その後、拠点を東京から秩父に移されました。
中村氏:はい。最初はALIGN製のMシリーズを使っていました。DJIもあったのですが、まだ今のような安定した性能ではなく、当時はALIGN製のドローンが良かった印象でした。その後、スクールを運営していく上で、ドローンの将来性を感じ、本格的なドローンスクールとして多くの方に利用頂いています。

編集部:フリークスガレージドローンスクールの特徴を教えてください。
中村氏:当校を卒業した方々が、社会へ出ていってドローンを使った「本物」の仕事ができるように指導しています。

編集部:具体的にはどういった部分でしょうか?
中村氏:カリキュラムを含むすべての面でそのような考えでやっています。よく生徒の皆さんに言っているのは、プロのドローンパイロットになるのであれば、技術はもちろん、知識がなくてはいけない、という点です。知識の上に技術があって初めてプロになることができると考えています。技術は練習をすればいくらでも身につきますが、正しい知識はきちんとしたスクールで習わないと身につくものではありません。自動車に例えると、普通は自分のクルマだけでなく、レンタカーでも友人のクルマでも運転することができると思います。これは「クルマの機能や装備、仕組みを分かっている」からなのです。知識や仕組みを正しく理解していれば、さまざまなドローンを飛ばすことができるのです。

編集部:確かにレンタカーを運転するのにわざわざ練習はしませんもんね。
中村氏:きちんと勉強して免許を取れば大型のバスだって運転できるようになるのと同じで、大型の運搬用ドローンでも正しい知識や仕組みを理解していれば、飛ばすことができるようになるのです。プロパイロットとして通用するためには、正しい知識が何よりも大切で、我々のスクールではそこを徹底的に教えるようにしています。

あえて厳しい言葉で語りかける理由


編集部
:フリークスガレージのドローンスクールを受講される方は、どのような理由でこのスクールを選ばれるのでしょうか?
中村氏:当校のWebサイトなどに書いている「免許より技術」「何回か飛ばしたくらいで仕事なんか受けれない。プロパイロットになるのは最低でも1年は通う覚悟が必要」といったところを見て賛同してくれた方がよく応募してきてくれますね。説明会でも「ドローンは楽しいですよ、簡単ですよ」といったことは一切言いません。ドローンのプロパイロットに命を懸けられる人でないと無理です、と説明します。普通は厳しいこと言うと敬遠されてしまうものですが、それが功を奏してか、本当にプロパイロットになりたいと思っている熱意のある方が多く集まってくれますね。

編集部:プロパイロットを目指すのは簡単ではない、と。
中村氏:航空法の中で飛ばすパイロットですから、旅客機のパイロットと同じなのです。数日間の練習で取得した民間資格のパイロットが操縦する旅客機と、資格はないものの何万時間と飛ばした経験のあるパイロットの旅客機、どちらに乗りたいか、という話です。

前編はここまで。後編ではFreaks Garageの今後について、気になる部分を直撃!
後編もお楽しみに!

後編はこちら

■Freaks Garage Webサイト
https://www.freakscafe.com/drone/

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