2025年5月に発表されたDJIの最新空撮ドローン「DJI Mavic4 Pro」。DJIのフラッグシップモデルとして大きな期待をかけられているこのドローンについて、今回は名古屋を拠点にドローンの販売やドローンスクールや直営のドローンショップを運営する株式会社ポラリスエクスポートに協力頂き、飛行を取材する機会を得たので早速お届けしていきたいと思います。
①「DJI Mavic4 Pro」の空撮性能を見る
今回の「DJI Mavic4 Pro」ですが、前作「DJI Mavic3 Pro」と機体のサイズや重量を比較すると全長は3のほうが長いですが、幅と高さは4のほうが大きくなっています。また、重量も若干4が重くなっています。
【DJI Mavic3 Pro】
サイズ:展開時(プロペラなし):347.5×290.8×107.7 mm
重量:958g(Mavic3 Pro)
【DJI Mavic4 Pro】
サイズ:展開時(プロペラなし):328.7×390.5×135.2 mm
重量:約1063g
そんな「DJI Mavic4 Pro」のカメラユニットは、4/3型CMOS HASSELBLADメインカメラと1/1.3インチCMOS中望遠カメラ、1/1.5インチCMOS望遠カメラの3つで構成されています。正面から見ると「HASSELBLAD」のロゴがフラッグシップモデルを意識させる造りで非常にカッコいいのですが、3つのレンズがうまく格納されており、近未来的なデザインが所有欲を湧かせます。
カメラユニット上部の4/3型CMOS HASSELBLADメインカメラは、新開発の1億画素センサーを搭載し圧倒的に美しい画像を撮影可能です。f/2.0〜f11の幅広い絞り値で、暗所でもノイズの少ない映像を撮影できます。
正面から見て左下には、48MPの1/1.3インチセンサーとf/2.8の絞りを備えた70mm中望遠カメラが搭載されています。こちらは新しい画像処理エンジンによってさらに優れた画質を実現しつつ、70mmの焦点距離が被写体を際立たせる圧縮された視点を作り出してくれます。
最後に右下の望遠カメラは、50MPの1/1.5インチセンサーとf/2.8の明るい絞りを備えています。望遠撮影に最適化された独自開発のジンバルアルゴリズムによって、長距離空撮においても、優れた画質と安定性を実現しています。
次に今回の一番の見どころでもあるジンバルを見てみます。今回採用された「インフィニティジンバル」は、360度の回転ができるだけでなく、上向きに70度向けることができるので、上向きのアングルで壮大な景色を撮影することが可能です。これまでなかった画角で、オリジナリティ溢れる映像を撮影することができるでしょう。
さらに、機体内部に標準で64GB、クリエイターコンボでは最大512GBの内蔵ストレージを搭載しているため、外部のメモリーカードなしでもすぐに飛ばして、貴重な撮影シーンを逃すこともないでしょう。
②「DJI Mavic4 Pro」の安全性と飛行性能
次に飛行性能、特に安全性に関する装備について見ていきましょう。この「DJI Mavic4 Pro」には、全方向デュアルビジョンシステムによる障害物検知が搭載されており、非常に高い安全性を有しています。
3D赤外線検知システムとして搭載されている前方LiDARは、これまであったようなジンバルやカメラユニットではなく、右前方のアームの先端に搭載。さらに下向きの赤外線センサーも搭載されています。この前方LiDARによって、低照度下でも高層ビルなどの障害物を検知し、上昇して夜間飛行時の安全な帰還を夜間RTHとして実現しています。
また、機体の映像を操縦者の手元に伝送する映像伝送システムは、最新の「DJI O4+」を搭載。DJI RC Pro2送信機を使えば、このO4+で伝送されてきた映像を7インチ高輝度ミニLEDディスプレイで見ることができます。
そして、機体後部にはバッテリーが搭載されています。今回採用されたのは、4セル6654mAhのリチウムイオンバッテリーで、効率化された推進システムにより最大飛行時間はなんと約51分を実現しています。これは現場で撮影を頑張るスタッフには非常に嬉しいポイントでしょう。さらにDJI Mavic 240W電源アダプターを使えば、パラレル充電ハブで1本のバッテリーを51分でフル充電してくれるところも見逃せません。
③「DJI Mavic4 Pro」フライトインプレッション!
それでは準備ができたので早速「DJI Mavic4 Pro」を飛ばしてみたいと思います。今回はクリエイターコンボ仕様で、送信機も「DJI RC Pro2」送信機を使います。7インチのディスプレイを展開すると、それがトリガーとなって電源がオン。機体もアームを広げるだけで電源が入ります。
周囲の安全を確認し、モーターを回転させて離陸開始。モーターが動き出すと分かるのは、若干大きくなっているにも関わらず前作以上に高い静音性です。非常に静かでモーターの回転音による恐怖感もなく、ドッシリとしている印象です。
自動離陸から機体を操縦してみますが、パワーは前作以上か。静かながら確かなパワーとひとつひとつの動きの安定感を確認することができました。
機体はそのまま上昇させていきます。スロットルを開けていくと気持ち良いほどの推進力で上昇していく「DJI Mavic4 Pro」。その独特のフォルムと相まって、近未来的なシーンが演出されます。
上空でDJI RC Pro2のモニターを縦にしてみると、その動きに連動してカメラも縦位置での撮影モードへ。こういった直感的な動きは飛行と撮影を同時におこなうユーザーにとってとてもメリットがあるのではないでしょうか?
当日はやや風があったものの、機体は非常に安定しており、不安な要素はまったく見つかりません。上空では動画と静止画のテスト撮影をおこなって、この機体の空撮機能を試してみるなど、テスト飛行として非常に良い感触を得ることができました。
④まとめ
今回はDJIの最新鋭空撮ドローン「DJI Mavic4 Pro」を飛ばす機体を得たので、早速お届けしましたがいかがでしたでしょうか?
新型機をリリースするたびにユーザーを驚かせてくれるDJIですが、今回の「DJI Mavic4 Pro」でも、我々に非常にインパクトのある機体を届けてくれました。
まさに空撮ドローンの中心を担うDJIのフラッグシップモデル。皆さんもぜひ一度その可能性を肌で実感してもらえればと思います。
■取材協力■
株式会社ポラリスエクスポート
https://www.polaris-export.com/
ECサイト「ドローンステーション」
https://www.drone-station.net/