2025年6月10日、DJIは新たな産業用ドローンプラットフォーム「DJI Matrice 400(以下Matrice 400)」を発表した。この機体は、長時間の飛行能力、高い積載能力、先進的な障害物検知システムを備え、緊急対応、インフラ点検、大規模なマッピングなど、さまざまな業務に対応可能な機体として注目が集まる。
卓越した飛行性能と耐環境性
Matrice 400は、最大59分の飛行時間を実現しており、荷物を搭載しても最大53分のホバリングが可能。IP55の防塵・防水性能を備え、-20℃から50℃の過酷な環境下でも安定した運用が可能となっている。さらに、動いている船舶からの離陸・着陸にも対応しており、海上での風力発電所の点検や海上パトロールなどのミッションにも適している。
高精度な障害物検知システム
Matrice 400は、LiDARとミリ波レーダーを組み合わせた先進的な障害物検知システムを搭載。これにより、夜間や視界不良時でも高精度な障害物検知が可能となり、電力線や山岳地帯などの複雑な環境での安全な飛行を支援している。
多様なペイロードと拡張性
最大6kgのペイロードを搭載できるMatrice 400は、カメラ、センサー、スピーカー、ライトなど、さまざまな機器を組み合わせることが可能だ。これにより、可視光カメラ、熱画像カメラ、LiDAR、スピーカー、ライトなどの組み合わせが可能となり、用途に応じた柔軟な運用が実現している。
安全性と効率性を高める新機能
Matrice 400は、O4 Enterprise Enhanced Video Transmissionシステムを搭載しており、最大25kmの伝送距離と20MB/sのダウンロード帯域幅を実現。これにより、都市部や高層ビル群などの複雑な環境でも安定した映像伝送が可能となっている。また、D-RTK 3マルチファンクションステーションとの組み合わせにより、センチメートル単位の高精度な位置情報を提供し、測量やマッピングなどの精密な作業を支援する。
緊急対応能力と迅速な展開
Matrice 400は、電源投入からわずか15秒での離陸が可能で、緊急対応ミッションにおいて迅速な展開が求められる状況でも対応可能。GNSS信号が遮断されるような環境でも、視覚位置情報技術を活用して安全な帰還が可能だ。これにより、都市部や山岳地帯などの複雑な環境でも安定した運用を実現している。
まとめ
DJI Matrice 400は、その優れた飛行性能、多様なペイロード対応、高精度な障害物検知システム、そして高い安全性と効率性を兼ね備えた産業用ドローンだ。緊急対応、インフラ点検、大規模なマッピングなど、さまざまな業務において信頼性の高いパートナーとなることだろう。その優れた性能と多機能性により、産業用ドローンの新たなスタンダードとして、多くのプロフェッショナルに支持されることが期待される。
このように、DJI Matrice 400は、産業用ドローンとしての新たなスタンダードを確立する可能性を秘めている。その高い性能と多機能性により、さまざまな業務において信頼性の高いパートナーとなることを期待したい。
※DJI JAPAN Webサイト
https://enterprise.dji.com/jp/matrice-400?site=enterprise&from=nav